心臓リハビリテーション
狭心症や心筋梗塞の患者さんの中には、心機能や体力が低下しているため、これまでのように活動できなくなるケースがあります。
近年は医療技術の進歩により、狭心症などを発症しても短時間で退院できるようになってきましたが、その一方で心不全になり、日々の生活が困難になることも少なくありません。
そこで重要になるのが、心臓リハビリテーションです。
心臓リハビリテーションとは、運動療法や食事療法、服薬や禁煙の指導、精神面のサポートを行うことで、心臓病の治療を受けた患者さんの、早期の社会復帰を支えるものです。
なかでも中心となるのが、運動療法です。
運動療法には血圧と心拍数の低下、動脈硬化の進行を遅らせる作用、冠動脈の血流の改善、HDLコレステロール値の上昇などの効果が認められています。
また、安定した冠動脈疾患の患者さんにおいては、従来のステント療法を受けたグループよりも運動療法のみを行なったグループのほうが、心筋梗塞や再狭窄を起こす率が低く、運動能力が高いという調査結果もあります。
このように適切な運動療法は狭心症や心筋梗塞を発症した患者さんにとって、再発予防と生活の質の向上につながるのです。
心臓リハビリテーションを受けられるのは、狭心症や心筋梗塞を発症した人や心臓の手術を受けた人で、かつ重い合併症がない患者さんです。
入院中に廊下を100m程度歩けるようになったら、運動負荷試験などの検査を行い、運動療法を開始します。
エルゴメーター(自転車こぎ)などの器械をつかった運動が中心ですが、運動量は個々の検査結果によって決められます。
運動中も心拍数や血圧を測定し、運動量が適正かどうか見ていきます。
退院後も可能な限り通院して、運動療法を続けます。
その際に、食事や禁煙の指導なども行われます。
現在保険適用がされるのは診断又は手術から6ヶ月間で、この間の通院リハビリの回数は1週間に3回が上限です。
現状では心臓リハビリテーションは何処の施設でも受けられるわけではありません。
近くに実施している医療機関がない場合や6ヶ月を過ぎた場合は、自宅でウォーキングや自転車こぎなどの有酸素運動を行うと良いでしょう。
運動の強度は、運動時の心拍数=安静時の心拍数+20 が一応の目安ですが、人によって異なりますので医療機関に相談し、無理のない範囲で行うことが大切です。